応急手当普及員とは
応急手当普及員とは、消防機関による応急手当技能普及を支援し、救命講習を教授する人員またはその資格のことである。応急手当普及員への認定は、総務省消防庁が定める「応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱」に基づき、各自治体消防局の消防長により行われることから、資格としての位置づけは公的資格である。
出典:総務省消防庁「令和5年版救急・救助の現況」
概要
一般に救命講習は医師や救急隊員が指導するが、消防職員は本来の業務(消防・救急など)に従事する必要があることから、救命講習の実施に十分な時間を要することが容易ではない。10万人都市の消防局であれば月に1回~2回の開講が限界であり、常時開講となれば防災救急協会など専門の機関を設置し専従の講師を置く必要が生じる。
通報から救急車の現場到着時間は年々長くなる傾向にあり、心肺停止の場合は救急車到着までに何らかの処置を施さなければ蘇生の可能性がほとんどなくなるため、応急手当の普及は救急分野において最重要課題とされている。
そこで、一般の人に対して心肺蘇生を含む応急手当を指導するために必要な知識と技能を有する者として設置された資格が「応急手当普及員」である。
① 普通救命講習もしくは上級救命講習を受講する
消防局公式ホームページから普通救命講習(3時間)もしくは上級救命講習(8時間)に申し込む。指定の日時に本講習を受講して普通救命技能認定もしくは上級救命技能認定(自動体外式除細動器業務従事者含む)を受ける。
② 応急手当普及員講習に申し込む
消防局公式ホームページから応急手当普及員講習(24時間)に申し込む。自治体によっては申し込み受付開始直後に満席となる場合があるので注意が必要。受講日の3カ月前より申し込み受付を開始することがほとんど。
③ 応急手当普及員講習を受講する
指定の日時に指定場所(消防署や研修センターなど)へ行き、24時間(8時間×3日間)を受講する。受講後に「応急手当普及員認定証」を受け取る。遅刻をすると認定を受けられない場合があるので注意が必要。
④ 資格認定
「応急手当普及員認定証」の交付を受けて資格認定となる。有効期限は3年間。
応急手当普及員資格を取得すると、取得した自治体消防局データベースに情報が登録される。登録された情報に基づき、普通救命講習が開催される場合に参集される場合がある。ただし、自治体消防局によって運用方法は様々であり、東京消防庁管内では単独で普通救命講習を開催することは難しい。まずは、応急手当普及員資格を取得した自治体消防局に問い合わせてほしい。
日本応急手当普及員協議会には、応急手当普及員による普及啓発活動を支援するサポート窓口があります。資金面や資機材さらには開催方法などに困ったら下記へ問い合わせてみてください。一人一人に合わせた支援を無料で受けられます。
お問い合わせ窓口|jfaic.info@gmail.com(24時間対応)